ベランダガーデンのハダニ対策!

2. ベランダのメンテナンス

ベランダガーデンを始めると、いくらか害虫や病気に悩まされることになります。

その中で、もっとも厄介な害虫の一つである「ハダニ」。

何が厄介かというと、一度発生すると根絶するのが困難。植物は元気がなくなり、見た目も汚くなってしまいます。

そのため、ベランダーの皆さんには「ちょっと植物の調子がおかしいな」と思ったときに、すぐにこれは「ハダニ」の仕業では?と勘ぐって欲しいですし、またすぐに対策を打てるような知識を持っておいて頂くことを強くお勧めしたいです!

筆者のハダニ経験ですが、とある花屋で激安の鉢花を買ってきたことが始まりでした。

今にも咲きそうな蕾が沢山ついたデルフィニウムをホクホクしながら買ってきたのですが、これが蕾のままで全く咲かず。綺麗なブルーの花を期待していたのに、蕾が白っぽいまま枯れていったのです。

何かがおかしい・・・

と思いながらも様子を見続けることに。

その次に起きた異変が、デルフィニウムの左隣りに置いてあったバラ。

バラの蕾がたくさんできて、開花を心待ちにしていたのですが、ずーっと蕾のままでおかしいとは思っていたのですが蕾のままその先っちょが枯れ始めたのです。

そこでようやくつぶさに蕾を観察したところ、何やら蜘蛛の巣のような糸がからまっていて、なおかつ小さーな虫が沢山這いまわっている・・・。そう、その正体がハダニだったのです。(冒頭の写真が正にそれです・・・)

処置が遅れたため、全ての蕾が同じ状態で、その年はバラは咲きませんでした(涙)

というわけで、この恐ろしいハダニ体験をベランダーの皆さんがしないためにはどうすればよいのか?筆者のように無知で武器を持たない状態でベランダガーデニングを始めることがないよう、こちらの記事が参考になれば幸いです。

ハダニの生態を正しく理解する

「ハダニ」をネットで検索すると対策方法がたくさん出てきます。ガーデナーだけではなく、農家の方も悩ませる非常に厄介な害虫で、日本にも多くの種類がいます。

「ダニ」なので体がとても小さく、集団にならないと目視で見つけるのがかなり困難です。そのため、被害が広がった段階にならないと中々気づけないのが厄介ポイント①なのです。

地植えの庭よりは、ベランダの方が発生する可能性は低いのですが、体がめっちゃ小さくて軽いのでアブラムシとかと同じように、風でベランダに飛んできます・・・これが厄介ポイント②。まぁ我が家の場合はハダニのついた植物を持ち込んでしまったことが原因でしたが・・・。

そして、殺虫剤が効かないんです。正確には効くんだけど、5日間で脱皮したり、10日間で卵が孵化して次の世代が生まれたりなどライフサイクルが早いので、殺虫剤に耐性のある子供がガンガン産まれてくるんです・・・これが厄介ポイント③

これらの厄介なポイントを理科した上で、ベランダでハダニが発生してしまった場合、どのように対処すればよいでしょうか。予防のための施策も含めて対策を見ていきたいと思います。

気温20℃以上の季節はベランダガーデンの葉を良くチェックする

一度増えてしまうと、ハダニを絶滅させるのは困難になるので、被害が少ないうちに発見して駆除することが大切です。そのため、植物の葉がおかしくなってないか、しっかり観察しましょう。

具体的にはこちらの写真のように、葉がかすれたように変色していたら要注意だと思ってください。左上は薔薇の写真ですが、既に殆どの葉がハダニに侵されている状態ですので、こうなる前にハダニ被害を発見することが重要です。

ここまで黄色く変色していると、かなりやられている状態。

このような状態の葉に加えて、蜘蛛の巣のような糸がからまっている場合、かなりの確率ですでにハダニがコロニーを形成し、蔓延していると覚悟して下さい。このようなケースでは、すぐにこの記事を最後まで読んで(笑)対策を講じましょう!

蜘蛛のような糸の間に小さな点々(ハダニ)が見える。

植物を買うときに細かくチェックする

冒頭で書きましたが、筆者のベランダのハダニ蔓延はひとつの鉢を導入したことが原因でした。ハダニはとても小さいので見つけにくいのですが、葉の症状や蜘蛛の巣のような糸くずが付着していないか、など最低限のチェックを植物を買う際は行いましょう。そもそも持ち込まなければ、ベランダでのハダニ発生は最低限に抑えられるはずですので、最初が肝心です!

購入時の植物の選び方について、「こんもりしている形」や「根が元気に張っているもの」を選びましょうと書いてある本を良く見かけますが、ぜひ「ハダニ的な症状がみられないか?」もチェックポイントに付け加えてることをお勧めします。

万が一買ってきた後に気づいてしまった場合には、ベランダに持ち込む前にシャワーで流したり、株を水につけるなどしてから搬入しましょう!これは後述しますがハダニを水で流してしまうためです。

鉢やポッドであれば、ビニール袋で覆ってピッタリ縛れば逆さにしても土が落ちませんし、水につけても大丈夫です。

ちょっと見にくいですが、プラバチをビニール袋で覆ってます。

ベランダのハダニ発生を防ぐ方法

まず、ハダニが広がってしまった場合、100%根絶はかなり困難と考えて下さい。

殺虫剤(を複数の種類)をがっつり撒き続ければ根絶できるかもしれませんが、ベランダでは隣家に配慮しなくてはなりません。おとなりが干している洗濯物に殺虫剤が付着してしまったり、小さなお子さんのいる部屋に流れて行ったりといった事態は避けないといけませんので、この記事では化学系な殺虫剤系は用いない方法を考えていきます。

それでも、どうしても殺虫剤で徹底的にやりこめたい!という方はこちらのGreensnapさんの記事が参考になります! 

では、ハダニが発生しにくい環境について。

良く「ハダニは水に弱い」という記事を見かけますが「弱い」とは何ぞや?と思いませんか?

「水でおぼれ死ぬとか?」「水と何かが反応するとか?」「水がキライとか?」など想像を膨らませてみたのですが、調べてみると別に「水で死んでしまう」というわけではなく、あくまで苦手だから、水のあるところに寄ってこない、程度のことのようです。

そのため、葉水をやることで、ハダニを寄せ付けない環境をつくることができますので、水やりやベランダを見回るときに霧吹きなどで葉水をやる習慣をつけると良いです!なお、ちょっと面倒ですが、葉の裏側になるべく葉水をするようにして下さい。

広い庭だといちいちやってられませんが、ベランダであれば労力は少ないはずですので、ハダニが隠れやすい葉の裏側をしっかり葉水してあげましょう。特にハダニの発生しやすい暖かいシーズンは、できれば毎日葉水するのがベストです!

葉水は葉の裏側もしっかり水を吹き付けるのが重要!

なお、ハダニが発生したからと言って悲観することはありません!ベランダーをやっていれば害虫との闘いは避けて通れないので、これも自然との戯れと思い、向き合っちゃいましょう。

例え根絶が難しくても、被害が広がるのを最小限にとどめることはできますので、めげずに大切な植物を守るべく頑張って駆除する方法を次に見ていきたいと思います!

ベランダでハダニが発生したときの駆除方法

ベランダでハダニを発見した際ですが、まずは何より被害にあっている葉をしっかり取り除き廃棄しましょう。なお、被害を受けた葉の周辺も、ぱっと見て問題がなさそうでも葉の裏側をしっかりチェックしてください。細かい点々があれば、それはハダニの可能性が高いので、それらの葉も一緒に取り除いて廃棄していきましょう。

被害が複数毎の葉ではなくて、既に広がっている場合はしっかりとした対策を行っていきます。

お勧めできない駆除方法

筆者はいくつかの駆除方法を拙宅のベランダで試しましたが、中にはおすすめできないやり方もありましたので記載しておきます。

ガムテープやセロハンテープでハダニを採取

良く紹介されている方法ですが、お勧めできません。ゴムの木のような丈夫で分厚い葉のハダニを採取するのなら良いのですが、たいていそんな頑丈な葉ではないので、テープでハダニをとろうとすると、まず間違いなく葉が一緒にペリペリとちぎれます(涙)

そのくせ茎の細かいところなどはハダニがとれません・・・ので、いっそ葉ごと又は茎ごと切除して廃棄した方がよほど早いし効果的です。

いろいろ混ぜた液を吹きかける

巷ではコーヒーや牛乳、重曹、お酢、でんぷん、油などを水と混ぜて噴霧する方法が良く紹介されています。コーヒーなどは本当に効くのか怪しいところですが、牛乳やでんぷん、油などはハダニと卵に吸着して窒息死させることで退治できるので、論理的には効くはずです。実際効き目もありました。

コーヒー液はいかにも効きそうだが眉唾・・・

ですが、ベランダで使う際は注意が必要です。

何分スペースが狭いので、誤って窓に吹きかけてしまったりすると、掃除がもう大変です。うろこ状の汚れが中々取れませんので、霧吹きなどで吹きかける際は十分注意してください。

また、牛乳やコーヒー、お酢は結構匂いがしますので、好きな香りなら良いのですが、そうじゃないとちょっときついかもです。

ホースで水攻め

やはり何だかんだ言って、殺虫剤を使わない場合は水で洗い流してしまうのが最も効果的です。

そのためホースでジャバジャバ流してしまえば一気に問題解決!と言いたいところですが当サイトではベランダでのホース利用は推奨していません。

詳しくはこちら:ベランダーお勧めの水やり道具に記載していますが、ベランダでホースを使うと誤ってベランダの外に水を撒いてしまうリスクがあるからです。ご近所とのもめる原因になりかねません。

水攻めを行う場合は、ホースではなく霧吹きなどで地道に丁寧にハダニ退治をしていきましょう。

おススメの駆除方法

それでは、ベランダにおけるハダニ駆除の方法でおすすめできるものを紹介していきます。

とくかくハダニが発生している植物を隔離・廃棄する

繰り返しになりますが、まず最初にやることはハダニが発生している箇所(または最悪の場合鉢ごと全部)を廃棄することです。部分的に葉を取り除いたり、切り戻したりするなどして救助することもできますが、最も安全なのは、他の植物にも広がる前にハダニを植物ごと隔離することでしょう。

既に複数の植物にまで広がってしまっている場合、すべてを隔離・廃棄するのは難しいと思いますので対処していきます。

霧吹きで水攻め

既に被害が広範囲にわたっている、または鉢が動かせない状態の場合、まずは水攻めが有効です。

霧吹き等で葉の裏側をメインに全体に葉水をやりましょう。

ハダニは葉の裏側に隠れるのを好むので、裏側を中心に葉水をするわけですが、できるだけ霧吹きは葉に近いところからかけて下さい。これは、水の威力が弱いと全然ハダニを落とすことができないためです。ちなみに落ちたハダニは床や鉢などで生き延びてる可能性が高いので、発生した以降はこまめな葉水で再度ハダニがやって来ないような環境を維持することが大事です。忙しい現代人にはキツイ話ではあるのですが覚悟を決めて頑張りましょう・・・

水攻め以降は石鹸+油を混ぜた液を吹きかける

水攻めで肉眼で見える範囲である程度ハダニを落とせたら(ある程度というのはハダニが小さくて見えないからです)、次にハダニ退治のための液体をつくり、それを水と同様に葉の裏を中心に霧吹きで吹きかけます。

今回は筆者が実際に試して効果を感じることのできた、石鹸+油+水を組み合わせた液をご紹介します。仮にソープ・オイル液と名付けましょう。

つくり方は超簡単で、1ℓの水に対して、食用油5㎖、固形石鹸5gを入れてシャカシャカ混ぜるだけ。

食用油は家にあるこんなもので。

固形石鹸は無添加ものがよいです!界面活性剤ですね。

空きペットボトルに大量に作っておいて、吸い上げるチューブが長いノズルを付ければ、あっという間にソープ・オイル液スプレーの出来上がりです。

あとは霧吹きと同じように葉や茎などに吹きかけるだけですが、水と違って多少粘土がありますので、先ほど書いたように、くれぐれもベランダの窓ガラスには吹きかけないよう注意下さい。

このソープ・オイル液ですが、石鹸のさわやかな香りが広がりますのでとてもお勧めです。

原理的には、油だけだと水とは良く混ざらない(水と油ですね!)ため、仲介役として石鹸も混ぜてあげるのです。これは、洗い物や洗濯と同じで、石けんは水と油の両方になじむ性質を持っているので、それをうまくつかって、油と水が混ざるようにします。

その結果、油の粘土がハダニを窒息させてくれます。もっと強力にしたい!と思って油の量を増やすのはくれぐれも避けてください。ベランダが激汚れます(笑)また、似たような液体のつくり方をネットで見かけますが「あきらかに油多すぎやろっ!」というのも見かけますのでご注意を。。

むしろ、1ℓの液体が半分くらいになったら、また水で薄めて1ℓの量にして、を繰り返して少しづつ薄めた液体で霧吹きを続けても効果が出ますので、是非お試し下さい。筆者はこれでハダニの拡散が止めることができました。

このソープ・オイル液も、水攻めと同じくハダニ被害が止まったかな?と思えるまでは、できるだけ頻繁に植物にかけてあげましょう。

冬の間に、幹や枝、鉢植えを健康状態に

ハダニは、気温が20~30℃の暖かい時期(3月~10月)に活発に活動すると言われていますが、確かに寒い時期にはベランダで見かけません。

しかしながら、色々な隙間で越冬できますので、またポカポカ陽気になると目を覚まし始めます。

それを防ぐためも、実は寒い時期にも対策をしておくと良いのです。

落葉する植物だと葉が落ちているので、植物全体にソープ・オイル液を掛けやすいですから、冬の間も定期的に霧吹きしておくと春も安心です。

その他、木酢液など良い微生物を増やして植物の強い体づくりを応援するようなものをかけておくのもGoodです。

まとめ

以上、ベランダでのハダニ対策について紹介しました。

ベランダガーデンでは庭とは違い、シャワーをジャバジャバかけたり、殺虫剤を思い切り撒き散らしたりなどができず、ある程度の制限がどうしてもあります。

ですが、ベランダで緑を楽しむとなると、どうしても虫や病気とは付き合っていかなくてはなりませんので、自然の営みを我が家のベランダで体験できるぞ!くらいのおおらかな気持ちでハダニ対策も望みたいものです。筆者はちなみにいらっとしてしまいます(笑)

ハダニはとても小さいので、芋虫のように見た目が気持ち悪いということはないでしょうが、害虫の中でも最も厄介な部類ですので頑張って防除していきましょう!これに増して良い方法をご存じの方は是非コメントでお知らせ下さい~

タイトルとURLをコピーしました